ひだまり

人生後半はゆっくりと心静かに過ごしていきたい

亡き母に届いた手紙

母が今の自分の年の頃、日帰りで旅行したりする仲の良い友人たちがいた。

そんなご友人たちも、ご主人の旅立ちがあったり転居したりで数十年が経っている。

今日、そんなご友人のお一人から母に手紙が届いた。

母より年配者であったおばちゃんは もう90過ぎ。

転居先がわからなかったけど、その手紙で入居先の施設がわかった。

コロナ禍じゃなきゃ会いに行くんだけどね、ごめんねおばちゃん、今はこの辺の高齢者施設は面会禁止になってるから 残念だよ。

 

「寒いけど元気でいてくれたら嬉しいです」と

・・・・・いつまでも母を気遣ってくださってありがとう・・・

賑やかで元気で、楽しそうに集まっていたよねぇ、あの頃は。

はぁ、涙はいつまでも枯れませんゎ。

お仏壇に、「お母さん、〇〇のおばちゃんからお手紙きたよ。返事は出しておくからね」って供えたんだけど

「あら まぁ!」って喜んでる?よね。

・・・つーんと淋しくなる・・・

 

手紙の中で、おばちゃんの子どもさんが最近病死されたことが書かれてた。

「夜になると淋しいです」って・・・

「足も痛いし、腰も痛いし、でも頑張りましょう」・・・

・・・涙が又出る。

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母宛ての、同じ年代の友人に聞いてほしかった思いが たどたどしく書かれていた。

おばちゃん 達筆だったのに・・・きっと、時間をかけてこの手紙書いてくれたんだね。

お母さんが入退院してる時も、お手紙くれてたねぇ。

知らない間にいなくなって、近所の人から施設に入居したって聞いてたけど、どこの施設かわからなくてね、母のこと連絡できなかったんだよ。ごめんね。

 

返事は・・・母の代わりに「ありがとう」って書きます。

でも、返事書きにくいです。母が彼岸に行ったと知ったら おばちゃんまだまだ淋しくなるもんねぇ・・・

返事書くまで少し時間くださいね。

 

 

寂聴さんが、今読んでいる本(寂聴 九十七歳の遺言)の中で

「何度繰り返しても「別れ」は辛く苦しい」と・・・

『この世で一番辛いのは、愛する人と死に別れることです。愛する人が自分よりも先に死ぬ。可愛い子ども、仲のいい夫、恋人、不倫の相手、親友が死ぬ。色々あります。やはり愛する人が死ぬのが一番辛いでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人間は、いつか死ぬものだから仕方がないとはいえ、やはり心は乱れるものです。』

 

『ごはんを食べようと思ったら、いない。突然雨が降ってきた時「降ってきたね」と言いたいのに、いない。この間まで一緒にいた人がもうこの世にいないのだから、何をするにも孤独を感じてしまう。それはこの上なく辛いことです。・・・・・・・・・・』

                      

孤独は、皮膚のように自分にくっついているものだけど、自分が幸福な時や幸福だと思っている時にはその孤独に気がついていないらしい。

 

『私たちが自分の孤独に気づくのは、自分が不幸だと思った時でしょう。

お金がない時、病気になった時、試験に落ちた時、何かの競争に負けた時、自分の意見が通らない時、仲間外れにされた時、誰かに裏切られた時、愛する人の不幸を自分の力で慰められないと気づいた時、そして愛する人との生き別れ、あるいは死に別れ・・・私たちが不幸だと思う時を数えあげたらきりがありません。』

と、記されているけど、ほんとにそうだね。

 

両親が旅立ったことや、最近では寂聴さんの本を読みだしたことから仏教に少し耳を傾けたりする自分がいる。

お釈迦様が説いている「四苦八苦」、「苦」には八つの苦しみがあり、世の中は思い通りにならないことばかりであると・・・

 

人は生まれながらに孤独なものだと自覚して・・・そう言われて、その後どう気持ちを持ち換えたらいいのか・・・そこに耳を傾けてみよう・・・