亡くなった上司への想い
自分の部屋を少し片づけてみた。
断捨離は少しづつ 少しづつ、想い出を整理しながら・・・
気分が重くなるような時は無理せず止めて
ゆっくり物を処分している。
どうしてもね、気持ちの入っている物は 思い切りが要るので・・・
片付ける中、昔々 上司から頂いた暑中見舞い葉書きが出てきた。
もう 今は亡き方。
これまで、自分が仕事上の師匠とする上司は 3人。
どの方も仕事以上の仕事をされる方だけど、この方は自分にとって2番目の師匠。
「ゆっくり教えてあげられないから、ついてきてくださいね」と初日に言葉をもらった。
とにかく忙しい職場だったので、腰を据えてゆっくりメモ取りながら教わるなんて至難の業。特に上司はトップや部下からの呼び出しや対応も多くてじっとできない。
なので、「ついてきてくださいね」という言葉がピッタリだった。
甘いお菓子が好きで、事務所で仕事している時は数人で楽しい時間を過ごせて、本当によく笑った。 部下のことをよく気遣う人で、差し入れもよくしてくれた。
おいしいパン屋さんがあって、仕事で外に出たついでに買ってきてくれたり。
明るくてやさしくて、面白くて、言いやすくて、時に意見が分かれて険悪ムードになることもあったけど、それだけ話を聞いてくれる人だった。
夫婦仲が良くって、よくのろけては恥ずかしがったりして、それがおかしくってよく笑わせてもらった。ほんと、仲良しさんで、悪口なんて1回も聞かなかった。
怒らせたり怒ったり、衝突もしたけど後味が悪くなるようなことはなかった。
残業も一緒によくした。
長電話もよくした。仕事のことも仕事の愚痴もよく話をしたよね。
自分なんかより、ずっとずっと遅くまで残業していた。
仕事のし過ぎかな・・・し過ぎだよ。
ゆっくりできない人だったもんねぇ。
他の上司が、「仕事を離さないから、手からこぼれたらとりあげてやって」と笑いながら言っていた。
資格試験に合格した時、かわいらしいペンケースと赤いかわいいボールペン、それに仕事用の手帳をプレゼントしてくれた。今も仕事用のカバンにはそのペンケースを入れている。
元気な人だったのに・・・
何度かお見舞いに行った時もかわらない笑顔だった。
仕事に復帰しなくてもいい、家でゆっくり過ごせるくらいになってくれればいい、きっとそうなると思ってたのに・・・
暑中見舞い葉書きには、私の健康を気遣う言葉が上司らしい言葉遣いで書かれている。
葉書きだけれど、いつものように話しかけるように書かれている。
この葉書きは処分できなくて、片付けをするたびに見つけては しばらく読み直して、懐かしい字をながめて上司の顔を思い浮かべてしまう。
もう昔々のことなのに、葬儀の時にお別れもしたのに、今もどこかで元気にされている気がする。
ころころと笑って呼び掛けてくれるような気がする。